広告タグのコピペミスを、
システムが自動で検出する。
複数プラットフォームにまたがる広告タグ管理の属人化と品質リスクを解消するため、
GASベースの自動チェックシステムをゼロから開発・納品しました。
クライアント業種
広告代理事業 / インターネットマーケティング
開発期間
約2ヶ月(v1.0 → v2.0)
技術スタック
Google Apps Script / Google Sheets

01 — 相談の経緯
「コピペミスで、本番タグが混在している」
気づいたときには遅かった。
Background
インターネットマーケティングを手がける同社では、複数のクライアントの広告入稿業務を日常的に行っていました。 GTM、Google Ads、META(Facebook)、Yahoo! など、多岐にわたるプラットフォームに それぞれ異なるタグを実装する作業は、担当者の手作業によるコピー&ペーストに依存していました。
ある日、本番環境で配信されているタグを確認したところ、 A社向けのコンバージョンタグの中にB社のIDが混入しているという重大な事故が発覚。 データの計測誤りだけでなく、クライアントへの信頼毀損リスクにもなりかねない状況でした。
「チェックを自動化したい。でも専用ツールを導入するコストはかけられない。 いま使っているGoogleスプレッドシートの延長で、なんとかできないか」—— そういった相談から、本プロジェクトはスタートしました。
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コピペミスによるID混在
複数クライアントのタグを並行管理する中で、A社のIDブロックにB社のタグが混入するケースが頻発。目視確認では見落としが生じていた。
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プラットフォームごとの複雑な仕様
GTM・Google Ads・META・Yahoo! など複数のDSPと、それぞれIDフォーマットが異なり、一括チェックが困難。担当者の属人的な知識に依存していた。
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CV計測タグの重複・不整合
コンバージョン計測用の各種タグ(Google CV・DSP広告プラットフォーム・複数の計測ログ等)についても、ブロック間のID重複や、同一ブロック内でのログID不整合が発生していた。
02 — 開発プロセス
課題を分解し、段階的に精度を高める。
フィードバックを反映しながら育てたシステム。
Process
Phase 1 — v1.0
基本検出ロジックの構築
まずはプラットフォームごとの正規表現パターンによるID検出機能を実装。 スプレッドシートにアカウント情報を登録し、タグファイルをアップロードするだけで 登録済みIDとの照合ができる基本形を完成させた。
Phase 2 — 誤検出バグ修正
「タグがないのにIDが表示される」誤検出問題
実運用テストで判明した誤検出バグに対処。正規表現のみの判定を改め、 実際にそのプラットフォームのタグが存在するかを確認する2段階バリデーションを導入。 各プラットフォーム固有のシグネチャに基づき検出条件を厳密化した。
Phase 3 — CV解析機能追加
コンバージョンタグの詳細チェック機能
Google CV ID(AW-〇〇〇〇/■■■■の■部分)、DSP広告プラットフォームのコンバージョン識別値、 複数の計測ログ(ログA・ログB)のIDを各ブロックから抽出。 ブロック間での重複検出と、同一ブロック内でのログID整合性チェックを実装。
Phase 4 — v2.0 完成
プラットフォーム階層管理・ダッシュボード整備
各プラットフォームを優先度つきで独立管理するアーキテクチャに刷新。 チェック履歴・ダッシュボード・一括登録機能を整備し、 日常運用に耐える品質のシステムとして納品完了。
03 — 実装機能
6つのコアプラットフォームに対応した、
広告タグ品質保証システム。
プラットフォーム別ID検出
GTM / Google Ads / META / Yahoo! / DSP広告プラットフォーム の各IDを独立して検出。優先度順(Google系→META→DSP→Yahoo!)でチェック結果を表示。誤検出を防ぐ2段階バリデーション付き。
ID混在エラー検出
1つのタグファイル内に複数クライアントのIDが存在する場合、「ID不備あり」として即座にエラー表示。コピペミスによるクライアント間のデータ混在を自動検知。
CV詳細解析
コンバージョンタグ内のGoogle CV ID・DSPプラットフォームのコンバージョン識別値・複数の計測ログIDを各ブロックから抽出。ブロック間の重複IDと、同一ブロック内のログID整合性をチェック。
アカウント管理・一括登録
プラットフォームごとにアカウント名とIDを登録・管理。CSV形式の一括インポートに対応し、初期セットアップの手間を大幅削減。重複IDの登録は自動でブロック。
チェック履歴とダッシュボード
過去のチェック結果をすべて記録。月次チェック数・累計・エラー検出率をダッシュボードに自動集計。運用状況の可視化と品質管理を支援。
ファイルD&Dによる直感的UI
タグファイルをドラッグ&ドロップするだけでチェック実行。既存のGoogleスプレッドシート環境で動作するため、導入コストゼロ。専門知識不要で誰でも使える設計。
「実際に使ってみると、これまで気づいていなかったIDの混在が何件も発見されました。 目視チェックがいかに限界だったか、改めて実感しています。 日常業務に自然に組み込めるのが一番助かっています。」
— クライアント担当者(広告運用チーム)
使用技術
Impact — 導入効果
タグチェック作業の自動化により、
品質リスクを大幅に低減。
工数の削減
ID混在事故
(GTM / Google / META 他)
追加インフラコストなし
04 — まとめ
「ツールを作る」のではなく、
業務の品質リスクを解消することを目的に。
Summary
今回のプロジェクトで重視したのは、「高機能なツールを作ること」ではなく、 「クライアントの現場で実際に使われ続けること」でした。 既存のGoogleスプレッドシート環境を活用することで導入ハードルをゼロにし、 ドラッグ&ドロップという直感的なインターフェースで、 運用チームの誰もが使える設計にしました。
開発途中でも誤検出バグや仕様変更に対して即座に対応し、 テストデータを用いた反復検証によってシステムの信頼性を段階的に高めました。 コンバージョンタグの詳細解析など、当初の要件にはなかった機能も、 運用ニーズを踏まえて追加実装しています。
広告タグ管理の品質向上・工数削減・リスク低減—— これら3つの課題を一つのシステムで解決した事例です。
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